収益・費用
「サービス」を”役務”という
Э収益・費用の認識基準
✟発生主義✟
収益や費用をその発生した期間に計上スル考え方を|発生主義|と呼ぶ。
発生
・収益……企業活動によって経済価値が増加すること
・費用……企業活動によって経済価値が減少すること
✟収益の認識基準✟
2021年4月以降、新たな基準「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識基準」)が適用される。
従来の基準に比べて収益の認識と計上(いつ、いくらで計上するのか)を、より取引の実態に併せて行うことを定めたもの。
✟売上の計上時期✟
売上[収益]の計上は「引き渡したとき」、「検収したとき」、「出荷したとき」に行う。
1)「引き渡したとき」
商品を相手に引き渡したときに売上[収益]の計上を行う場合がある。
※通常の店舗販売では引き渡したときに売上[収益]が計上される。
2)「検収したとき」
納品した商品の品質や数量などを相手方が検収し、確認の通知を受けたときに売上[収益]の計上を行う場合がある。
※相手からの確認の通知があるまでは「仕訳なし」。
3)「出荷したとき」
商品を出荷したときに売上[収益]の計上を行う場合がある。
Эサービス業の処理
✟役務とは……?✟
商品売買業→商品という形のあるモノ
サービス業→サービスという形のないモノ(役務)
✟役務収益の計上時期✟
サービスを提供したときに役務収益[収益]を計上スル。
一定期間継続してサービスを提供する場合
㈠カリキュラムの進度に応じて収益を計上
㈡サービス提供した時に一括して収益を計上
がある。
ここでは㈠から説明するよ。
✟サービス業の処理㈠カリキュラムの進度に応じて収益を計上する場合✟
1)代金を前受けしたとき
サービスを提供する前に代金を受け取った時は、まだ役務収益[収益]を計上スルことはできないので、前受金[負債]で処理スル。
例)現金 5000/前受金 5000
2)サービスの提供に先立ち、費用を支払ったとき
サービスを提供したときに役務収益[収益]を計上スルとともに、そのサービス提供分にかかる費用を計上スル。
まだ提供していないサービスにかかる費用(そのサービスのために直接費やされたものであることが明らかな費用)については、仕掛品[資産]という勘定科目で処理スル。
例)仕掛品 5000/現金 5000
3)決算時
先に前受けしている受講料のうち、カリキュラムが終了している分だけ前受金[負債]から役務収益[収益]に振り替える。
対応する費用を仕掛品[資産]から役務原価[費用]に振り替える。
例)前受金 3000/役務収益 3000
役務原価 2000/仕掛品 2000
商品売買業→売 上:売上原価
サービス業→役務収益:役務原価
4)全カリキュラムが終了したとき
残りの期間分について役務収益[収益]及び役務原価[費用]を計上スル。
※処理は決算時と同様。
例)前受金 3000/役務収益 3000
役務原価 2000/仕掛品 2000
✟サービス業の処理㈡サービス提供した時に一括して収益を計上する場合✟
決算時は何の処理もせず、サービスを提供した時に役務収益[収益]及び役務原価[費用]を計上スル。
「代金を前受けしたとき」「サービスの提供に先立ち、費用を支払ったとき」は、
「㈠カリキュラムの進度に応じて収益を計上する場合」と同様である。
1)代金を前受けしたとき
サービスを提供する前に代金を受け取った時は、まだ役務収益[収益]を計上スルことはできないので、前受金[負債]で処理スル。
例)現金 5000/前受金 5000
2)サービスの提供に先立ち、費用を支払ったとき
サービスを提供したときに役務収益[収益]を計上スルとともに、そのサービス提供分にかかる費用を計上スル。
まだ提供していないサービスにかかる費用(そのサービスのために直接費やされたものであることが明らかな費用)については、仕掛品[資産]という勘定科目で処理スル。
例)仕掛品 5000/現金 5000
✟仕掛品を経由しないケース✟
役務費用(サービスにかかる費用)の発生が、役務収益の発生とほぼ同時の場合、仕掛品[資産]を経由することなく、役務原価[費用]に計上スルことができる。
例)
(1)旅行業を営むXYZトラベルが企画したパッケージツアーについて顧客からの申し込みがあり、旅行代金5000円を現金で支払った。
(2)XYZトラベルは(1)のツアーを催行した。なお、移動のために交通費など3000円を現金で支払った。
(1)現 金 5000/前受金 5000
(2)前受金 5000/役務収益 5000
役務原価 3000/現 金 3000
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