【簿記2級学習】その他取引>有価証券<取引と処理>

記録-log- 学習紹介~learning~

有価証券

保有目的で処理が異なるのが特徴。

有価証券の分類

〗有価証券とは……?〖
・株式会社が発行する社債や株式
・国が発行する国債
・地方自治体が発行する地方債
などを|有価証券|と呼ぶ。
社債、国債、地方債をまとめて|公社債|と呼ぶ。

Memo
お金に変えられる||値の||る|証券|。

〗有価証券の分類〖
Ю1 売買目的有価証券
価格が低い時に購入し、価格が上がったら売却することによって、その差額分の儲けを得ることを目的に保有する証券を|売買目的有価証券|と呼ぶ。
Ю2 満期保有目的債券
利息を受け取ることを目的として満期まで保有するつもりで所有している公社債を|満期保有目的債券|と呼ぶ。
Ю3 子会社・関連会社株式
子会社・関連会社が発行した株式をそれぞれ|子会社株式/関連会社株式|と呼ぶ。

※子会社と関連会社
子会社
株式を半分以上持ち意思決定機関(株主総会など)を支配している場合、支配している会社を「親会社」、支配されている会社を「子会社」と呼ぶ。
関連会社
意思決定機関をしているまでとまではいかないが、他の企業の意思決定(人事や経理に口出せるレベル)に重要な影響を与えることができる場合、影響を与えられる会社を「関連会社」と呼ぶ。

Ю4その他有価証券
Ю1~Ю3のどの分類でもない有価証券を|その他有価証券|と呼ぶ。

有価証券の購入と売却

〗有価証券を購入したとき〖
保有目的に応じて売買目的有価証券[資産]、満期保有目的債券[資産]、子会社株式[資産]、関連会社株式[資産]、その他有価証券[資産]で処理をスル。

計上価額=有価証券を購入するために支払った金額(取得原価)
取得原価…有価証券の価額(購入代価)に証券会社に支払った売買手数料(付随費用)を加算した金額

計上価額(有価証券の取得原価)=購入代価+付随費用
※不随費用を取得原価に含めるのを忘れずに。

【株式を購入したとき】
株式の取得原価
=購入単価(1株あたり)×購入株数+不随費用
(購入単価(1株あたり)×購入株数)が購入代価
【公社債を購入したとき】
公社債の取得原価
=購入単価(1口あたり)×購入口数+不随費用
(購入単価(1口あたり)×購入口数)が購入代価
※購入口数は公社債の額面総額/100円

〗有価証券を売却したとき〖
売却した有価証券の帳簿価額(帳簿に記載されている金額)だけ、有価証券[資産]を減少させる。
売却価額と帳簿価額の差額は有価証券売却益[収益]または、有価証券売却損[費用]で処理スル。
1Ж売却益が生じる場合Ж
【売却価額>帳簿価額】→有価証券売却益[収益]

2Ж売却損が生じる場合Ж
【売却価額<帳簿価額】→有価証券売却損[費用]

3Ж同一銘柄の有価証券を複数回に分けて購入し、これを売却した場合Ж
売却した有価証券の帳簿価額は[平均原価法]によって計算スル。

※[平均原価法]※
【平均単価=1回目の取得原価+2回目の取得原価+……/1回目の取得株式数+2回目の取得株式数+……】
売却した株式の帳簿価額=【平均単価】×売却株式数

配当金・利息の受け取り

〗配当金を受け取ったとき〖
株式を保有していて株式発行会社からの利益の分配として配当金を受け取った時は受取配当金[収益]で処理スル。

※株主総会で配当金額が決定すると、株主のもとに配当金領収証が送付され、株主はそれを金融機関に持ち込むことによって現金等を受け取ります。
そのため「配当金領収証」は簿記上現金[資産]で処理スル。

例)保有するY社株式について配当金領収証100円を受け取った。
現金 100/受取配当金 100

〗利息を受け取ったとき〖
所有する公社債について利息を受け取ったときは有価証券利息[収益]で処理スル。

※公社債の利息は、公社債の発行者から受け取っている利札のうち、支払期限が経過したものを金融機関に持ち込むことによって現金等を受け取る。
そのため「期限到来済みの公社債利札」は簿記上現金[資産]で処理スル。

例)保有するZ社社債について半年分の利息500円の利払日が到来した。
現金 500/有価証券利息 500

Memo
配当金領収証」や「期限到来後の公社債利札」は現金[資産]で処理スル。

端数利息の処理

〗端数処理とは……?〖
公社債の利息は利払日にその時点の所有者に対して支払われる。
利払日以外の日に公社債を売買した場合、買主は売主に前回の利払日の翌日から売買日までの利息を支払いマス。
その前回の利払日の翌日から売買日までの利息を|端数利息|と呼ぶ。

〗端数利息の計算〖
端数利息
=額面金額×年利率×(前回の利払日の翌日から売買日までの日数/365日)

〗端数利息の処理〖
Ж売主の処理Ж
公社債の売却日に前回の利払日の翌日から売却日までの利息(端数利息)を買主から受け取れる。
例)現金 60142/売買目的有価証券 58000
/有価証券売却益   800
/有価証券利息    1342

Ж買主の処理Ж
公社債の購入日に前回の利払日の翌日から購入日までの利息(端数利息)を公社債の発行者に代わって売主に立替払いしマス。
なお、次の利払日に公社債の発行者から受け取る利息には端数利息も含まれるため、
購入時に立替払いした端数利息を有価証券利息[収益]の減少として処理スル。
例)売買目的有価証券 58800/ 現金 60142
有価証券利息   1342/

売買目的有価証券の評価替え

売買目的有価証券の評価替えとは……?
売買目的で所有している有価証券については時価を反映させるため、決算において帳簿価額を時価に修正する(時価法)ことを|有価証券の評価替え|と呼ぶ。

〗売買目的有価証券の処理〖
評価替えにおいて生じた帳簿価額と時価との差額は、
有価証券評価損[費用]【時価<帳簿価額】
または、
有価証券評価益[収益]【時価>帳簿価額】
で処理をスル。

Ж時価が値下がりしたとき、時価が値上がりしたときЖ
>時価が値下がりしたとき【時価<帳簿価額】<
時価が帳簿価額より低いときは、その分だけ有価証券の価値が減っている。
売買目的有価証券[資産]の減少として処理。
また、時価が値下がりしているわけなので、決算時に売却したら損失が生じることになる。
相手科目は有価証券評価損[費用]で処理しマス。
例)決算において、売買目的有価証券の時価は990円であった。なお、帳簿価額は1200円である。

有価証券評価損 210/売買目的有価証券 210

>時価が値上がりしたとき【時価>帳簿価額】<
時価が帳簿価額より高いときは、その分だけ有価証券の価値が増えている。
売買目的有価証券[資産]の増加として処理。
また、時価が値上がりしているわけなので、決算時に売却したら収益が生じることになる。
相手科目は有価証券評価益[収益]で処理しマス。
例)決算において、売買目的有価証券の時価は1200円であった。なお、帳簿価額は990円である。

売買目的有価証券 210/有価証券評価益 210
期中の取引を「売買目的有価証券勘定」と「有価証券売却損益勘定」に分けて記帳する方法→「分記法」。
売買目的有価証券勘定」のみで記帳する方法→総記法(1級の出題範囲)

満期保有目的債券の評価

満期保有目的債券の評価
原則として取得原価を貸借対照表上の価額とスル。
✟決算において評価替えしません✟
Bat、ただし、額面金額と取得価額の差額が金利調整差額と認められるときは、|償却原価法|で処理スル。
償却原価法とは……?
満期保有目的債券の額面金額と取得価額の差額が金利の差を調整するもの(金利調整差額)であると認められるとき、取得日から満期日の間、決算において満期目的保有債券の帳簿価額が額面金額になるように、
毎期一定の方法によって算出した金額を満期保有目的債券[資産]の帳簿価額に加減する方法を|償却原価法|と呼ぶ。
相手科目は有価証券利息[収益]で処理しマス。

償却原価法による評価
評価差額の合計額を賃借対照表の純資産の部にその他有価証券評価差額金[純資産]として計上スル方法。
純資産の増加は貸方(右)/減少は借方(左)。

例)決算においてZ社株式(その他有価証券)の時価は3300円であった。なお帳簿価額は3000円である。
その他有価証券 300/その他有価証券差額金 300
例)決算においてZ社株式(その他有価証券)の時価は3000円であった。なお帳簿価額は3300円である。
その他有価証券差額金 300/その他有価証券 300

その他有価証券は洗替法(あらいがえほう)で処理する。
洗替法とは……決算時に評価差額を計上しても、翌期首に再振替仕訳(決算時の仕訳の逆仕訳)をして、決算時に計上した評価差額を振り戻す処理をいう。

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